高校の先輩である地震学者の束田進也さんから教えてもらった話。
地球には上下方向に振動している。ボールを上下に押しつぶしてそれが元に戻って、というような振動だそうだ。
その固有の振動周期は54.1分(*)らしい。
その周期をHz(ヘルツ=1秒ごとの周波数)で表すと
1/(54.1×60) =
0.00030807Hzとなる。
それをひたすら倍々で大きくしていき、人間の最低可聴周波数を超えるのが
40.38Hz
これは、標準的な4弦コントラバスの最低音 E(=ミ) にあたる(やや低めである)
言い換えると、地球自体の振動は、コントラバスの最低音のさらに17オクターブ下のE音だともいえる。
ちなみに、やや低め、というのがどのくらいかというと、このE音に対するA音(=ラ)を計算すると430.7Hz
(正確には、上記E音の4オクターブ上のEのさらに5度下のA音)
現代の基準ピッチ440Hzから10Hz程低い
基準ピッチについては色々な説があるが、バロックの時代など古くは現代より低かったようだ。
地球が持っている固有な振動の内もっとも大きなスケールのものが音としてはEであることを、ずーっと昔の人が感じ取っていて、それがまわりまわってコントラバスの最低音がEになった。
と、そこまでいうのはやや夢見がちな話かもしれないが、その共通点に漠然としたロマンを感じるくらいのことは許して欲しいものだ。
(*)日本音響学会にある束田さんの論文には53分とあるが、ご本人から54.1分と伺ったのでそちらを記載している。でもその話を聞いた時は酒も入っていたのであまり自信はない。
(旧ブログより転載)