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バシェの音響彫刻

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大学生になった息子は、コロナの影響でまだ一度も登校しておらず、毎日オンライン授業だ。夏まではこれが続くらしい。学習の一環(建築科に入った)で、日本の古民家のあるところに行くという。ぼくも興味があるので便乗して同行したのが、神奈川県の生田緑地にある、川崎市立日本民家園。主に東北と関東甲信越地方の古民家25件が広い敷地内に移築されてある。 生田緑地には岡本太郎美術館も隣接していて、企画展「バシェ音響彫… Read more

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「センスメイキング/クリスチャン・マスビアウ」(プレジデント社)

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「人は何のために存在するのか」そんな大きな問いについて考える時間を持つのはどうだろう。 今、新型コロナウイルスに関するとても多くの情報があってしかも日々刻々と変化している関連する政策も発表され、他国と比較して不十分とかいや十分とか遅いとか、いろいろなことが言われる。その政策の根拠になっているものとして、感染症の専門家や医療関係者による科学的な分析がある。様々な政策決定において科学的根拠が示されるこ… Read more

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「風邪の効用」野口晴哉

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この本で述べられるのは「風邪は治療するものではなく、経過するものである。風邪は人間の身体の弾力性を恢復させる機会となり、風邪をひくと身体が整う。風邪自体が治療行為であるとも言える。」という考え方とそれに基づくさまざまな対処法。病気への見方、捉え方を転換させられる名著と言われる。ぼくもことあるごとに読み返す。 現在、新型コロナウイルスがパンデミックを起こしている。世界的にはリーマンショック以上(へた… Read more

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「流れとかたち」

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「流れとかたち――万物のデザインを決める新たな物理法則」エイドリアン・ベジャン& J. ペダー・ゼインAdrian Bejan, J. Peder Zane 万物のデザインは「コンストラクタル法則」に従い、流れがより良くなるかたちに進化してきている。河川の流れ、樹木、人間の血管、雷の樹状構造などの事例から始まり、生物、無生物、そして社会、経済、文化、情報までを視野に入れた論は超刺激的。これは今後幅… Read more

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無意識を知るための2冊「しらずしらず」「ブレイン プログラミング」

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「しらずしらず / レナード ムロディナウ」 サブタイトルに「あなたの9割を支配する無意識」と書かれているように、ぼくたちの人生は無意識の影響を多大に受けている。心理学の世界でもかつて、ユングやフロイトが無意識について多くの考察を行った。それはとても魅力的で、多方面に影響を与えたが、その手法が内省、行動の観察、夢などを通じたものであったため、漠然とした結果しか得られなかった。簡単に言うと、「科学と… Read more

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「歌うネアンデルタール・スティーブン ミズン」

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「歌うネアンデルタール ―音楽と言語から見るヒトの進化/スティーブン ミズン」 近年、「コトバがどのようにしてウタになるのか?」とか「コトバとオトとウタの関係」というようなことが気になっている。すると必然的に、言語の起源、音楽の起源、聴覚と人類の進化、というテーマに行き当たる。 音楽の起源に関して、これまでの主要な説では、音楽は言語の副産物つまりコトバのおまけのような位置づけとされる事が多かった。… Read more

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

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ドラマー アントニオ・サンチェス氏によるドラムスコアがサウンドトラックのほぼ全編を占める映画「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を観た。(あわせて話題になってる「セッション」も観ようかどうしようかと迷ったがあっちは疲れそうなのでやめた) サウンドトラックの役割という面で、(単にドラムソロで映画音楽を、と言うだけでない)非常にチャレンジングな映画だと感じたのでその内容を書いておく。 … Read more

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音色・メッセージ

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「音と文明 ~音の環境学ことはじめ / 大橋 力 著」を読んでうれしい衝撃を受けた。映画「AKIRA」で音楽を担当した「芸能山城組」の主宰者・山城祥二氏とこの著者が同一人物であることにも、不思議な納得を覚える。「遺伝子に約束された音」「言語・音楽と脳」といった興味深いキーワードを切り口に、尺八と西洋楽器、ガムランと西洋のオーケストラ、森と里と街、などの周波数分布比較を例にあげながら、音と生命の関わ… Read more