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成人式

昨日、息子が成人式に出かける後ろ姿を見送った。
小樽で生まれてから10年、東京で10年。
これまで本当に多くの方に支えられて来ました。
心より感謝申し上げます。

息子を見送り、思い出すのはぼくの父のこと。

ぼくが20歳のころは大学2年生。
石川県小松から上京して西川口の木造アパートにひとり暮らし。
上京してから正月にも帰省はしてなかったと思う。

ある日家に帰るとアパートの玄関にメモが貼ってあった。
「顔見に来た。しばらく待ったけど帰らないようなのでまた。父」
父が訪ねて来たようだった。
ぼくは昼間アルバイトしながら夜間の大学に通っていたので不在がちだった。
父は長距離トラックの運転手で石川〜東京間をよく往復していたので、東京に来たついでに寄ったのだろう。
とはいえアパートの近くに大型トラックで来られるはずがなく、多分どこかのトラックセンターみたいなところに車を停めて、わざわざ電車に乗って来たんだと思う。

その時ぼくは「あ、来てたんだ。会えなかったな。」という感じで、嬉しくはあったものの父がどんな気持ちでアパートの前でぼくを待っていたのか、なんて全く考えもしなかった。

当時はSNSどころかインターネットもメールも携帯電話も無い時代。親元を離れ2年近く会ってない息子。
それは顔くらいみたくなる。
(ということが今は良くわかる。)

父が病気で亡くなったのはその数年後。
それまでに何回会えただろうか。多分ほんの数回だった。
父に「ありがとう」と伝えないまま別れることになってしまった。

30年以上経ってしまったけれど、父さん、あの時ありがとね。